コンテナ型地上タンクの技術検証

　コモタがSS過疎地の課題解決として取り組むコンテナ型地上タンクは、経済産業省 資源エネルギー庁の「平成30年度SS過疎地対策検討支援事業」の下、ヨーロッパでコンテナ型地上タンクの実績豊富なドイツ企業と共に、日本向けに新たに設計、開発、製造を行い、日本国内適合品の計器類を装備したコンテナ型地上タンクのプロトタイプとして、技術検証を行いました。

　さらに、翌年には、10フィートと20フィートの2台のコンテナを設計、開発、製造を行い、同時に安全性を確保するために、さまざまなリスクを想定した安全性のリスクアセスメントを行い、加えて第三者の評価を経て、実際のSS過疎地の売木村（長野県伊那郡）に設置し、売木村の運営スタッフ皆様の約1か月間の訓練および試験運用の後、正式に運営開始となりました。

　売木村のコンテナ型地上タンクは、関係機関、有識者の皆様にアドバイスをいただき、技術検証や安全対策を実施したうえで、所轄消防本部との相談、指導等により安全性を高めることで、本来は地上設置が認められていない燃料タンクを特例で設置させていただきました。

　「うるぎ600道の駅前PS（ポータブルステーション）」について

　コモタの技術検証に、ご協力いただきました売木村は、村の面積の約88％を森林が占め、起伏に富んだ地形で形成される特徴的な中山間地域のため、交通網が限られており、ガソリンスタンドは地域住民の皆様にとって重要なインフラとなっており、特に高齢者の方々の暖房燃料のまさにライフラインとなっています。
　一方で人口減少が進む中、ガソリンスタンドが独立して採算を確保することが難しく、唯一村に残るガソリンスタンドの地下タンクの使用期限を2022年12月に控え、地下タンクの更新コストの捻出、人材確保、行政による経営支援の継続にも限界がありました。

　「村や消費者の負担が増えても村内に１箇所はガソリンスタンドを維持すべき」と存続を希望する声も多くありましたが、現状や今後の人口、財政の見通しを考えると既存のガソリンスタンドの更新、再投資は難しく、そこで経済産業省が提唱するSS過疎地仕様の新たなガソリンスタンドの形態（コモタのコンテナ型地上タンクなど）の導入により、省力化などの課題解決を図りたいと考えていました。売木村は役場、道の駅周辺に生活機能が集まっており、集落が点在していないこと、ほとんどの世帯の生活圏が道の駅から10分以内にあるため、地上タンクを「道の駅南信州うるぎ」の道路を挟んだ向かいの土地に設置することにより、将来的に運営の一体化やクーポンの発行など他の集客施設とのサービスの連携を行うなどの効率化も図れるのではないかということで、コモタのコンテナ型地上タンクの技術検証の候補地として手を挙げて頂きました。

現在も「うるぎむらガソリンスタンドを残す会」が当該給油所を運営されており、売木村の皆様や通勤、観光で村を訪れる方々に、ご利用いただいております。

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